私にとって・・・

何回か大事な人の別れのことを書いてきた。昨年の「やり残したこと」に書いていた恩師とは、実際に対面することなく今生での別れを迎えてしまった。心残りがないかといえば、全くないとは言えない。ただ、私にとって大きな影響を与えてくれた恩師であり、死のその時まで多くのメッセージを与えてくれたことは間違いない真実で、それは私にとってはなにものにも代えがたいものである。私は、彼との出会いに感謝して、冥福を祈っている。

私は生きている。多くの大切な人と別れてもなお私は生きている。そして、その私の中で大切な人たちは存在し続けている。

最も大きな存在であり、親でもないのに無条件に愛してもらっていると実感させてもらい、その体験が今も私の支えになっている人がいた。人が何よりも大切な存在であることを、自身のあり様で教えてくれた。私が「人が好きです。」と言えるのは、きっと彼と出会ったからだと思う。私は心地よい風が吹いてくると、彼が私の傍にいてくれると感じる。そして、少し穏やかな気分になる。

私に信じるものがある大切さと強さを教えてくれた人がいた。時には厳しく感じることもあったが、いつも私が何を思い、何を大切にしたいと思っているか問い、そのことに私がちゃんと向き合うことができるように、私のことを見守ってくれていた。彼との別れの時に、私の口から出たのは「本当に大切にしてもらいました。」だった。私は眩しい日の光に彼を感じることがある。そして、少しピリッとする。

私の大好きな一緒にやることの楽しさを教えてくれた人がいた。大変なことや厄介なことも、楽しいことも、ちょっとずるいことも、たくさん一緒にやることで、人と一緒にやることで得られるものがあり、その体験がかけがえのないものであることを実感させてくれた。どの時間も思い出深く、だから私は人と一緒にやることが好き。彼はこれからどんな風に、私のところにやってくるのだろうか。きっとその度に、私は少し元気になれるかもしれないと思う。

私の前を少し照らしてくれる人、私に大丈夫だよと言ってくれる人、私に勇気を与えてくれる人、私の中には何人もの大切な存在がいる。生前だけでなく、亡くなった後も私に影響を与え続けてくれている存在。私がいつかまた彼らに会えた時に、「私なりにずっとあなたたちと生きてきました。素敵な人生でした。ありがとう。」と言えるように、生きていこうと思う。

私の人生は、多くの人に今も彩られている。