両 行

私の所属している協会のオンライン研修で

芥川賞作家であり福聚寺住職の玄侑宗久氏の講演をきく機会に恵まれました

 

「日本人の心のかたち」というタイトルで

「跪坐」や「跪拝」等初めてきく言葉がいくつもでてきました

なかでも「両行」という言葉が印象的で

意味としては相反する双方を認めるというものです
↑(だいたいこのようなことだと個人的に解釈しました)

 

古文にでてくる「もののあわれ」と言う言葉が

「悲しい」にも「うれしい」にもどちらも使われることに始まり

ことわざでは「二兎追うものは一兎をも得ず」に対して

「一石二鳥」の反対の意味があったり

それではじゃあどっちなの・・?と思いがちな私ですが

物事を善悪や正誤のように片側だけを基準にするのでなく

状況に応じて行動を選択していくということらしいです

 

この精神は徳川家康にも受け継がれており

家康は無理に大阪の銀文化を変えることなく

大きくゆるやかに日本をまとめていきました

 

相反する価値観を単に排除していくのでなく

両方肯定している考え方が

日本人には昔からあると

玄侑氏は述べています。

 

全員が唯一の考え方になるのは恐ろしいことだと

先の戦争が教えてくれています

ここ最近多様性とかヘイトスピーチという言葉をよく耳にしますが

この「両行」の考え方を忘れないようにしていきたいです