オススメの映画

8月も後半に入りましたが、猛暑日が続いています。体調には十分気をつけたいものですね。

先週は実家の母が体調を崩し度々通う日々でした。8月生まれの私と母ですが、昨年はキャリーバックを杖代わりに近くのレストランでお祝いができましたが、今年は外出もできず体力の衰えは否めません。元気な父の存在がとても頼もしく感じています。母の容態を気にかけながら、夜は、アマゾンプライムを利用して「天正遣欧少年使節」という映画を見ていました。

内容はというと・・・

16世紀、戦国時代の只中、日本にやってきたイエズス会の宣教師ヴァリニャーノという人物が、キリスト教教育を受けた日本の少年たちをヴァチカンに連れて行き、ローマ法王に謁見させる秘策を考えます。聖書に記された「東方三賢人=MAGI」の言い伝えを現実化するために、時の天下人であった織田信長の正式な親書と贈り物を携え、少年たちとローマを目指すという物語(実話)です。
4人の青年・・・クリスチャンネームのマンショ、ジュリアン、マルティーノ、ミゲルを乗せた船が、長崎から出向し、途中マカオ、インドのゴアに立ち寄り、アフリカ喜望峰を周り、ポルトガルを経てスペイン王国へと向かいます。当時の国王フェリペに謁見したり、イタリアでは、ルネサンス時代後半のフィレンツェの大公フランチエスコ・デ・メディチの熱烈な接待を受け、そして、ローマでは時の教皇グレゴリウス13世との公式な謁見が叶います。

少年使節団が遠く海を渡って世界を旅した8年の間に、日本は信長が権力の絶頂で明智光秀に討たれ、秀吉が天下を取って全国統一を成し遂げています。日本にやっと帰国できた少年たちは秀吉にその成果を報告したという記録があり、西洋の知識と印刷技術を持ち帰りました。
皮肉にもその後秀吉によってキリシタン大名の弾圧が始まり、家康の時代に入るとさらに厳しい弾圧が加速していきます。

4人の少年たちは、帰国後も長崎にあった学校(のような場所)で、外国語や神学を学び司祭に叙任されます。しかしその後のキリシタン弾圧の中で彼らの運命はそれぞれに壮絶な人生となっていきます。
マンショは42歳で長崎で病死、マルティーノは国外追放でマカオへ。ジュリアンは長崎で殉教、ミゲルは棄教者という記録が残っていています。
天草で島原の乱を起こした18歳の青年(天草四郎)は、昔ローマに行った4人の日本人の一人ドン・ミゲルの息子であるという記録が、ローマに報告されていた、という記録もあったようですが、これは史実かどうかは不明だそうです。人々の心の中の声として「ミゲルの息子」という思いがあったのでしょうか・・・。

映画とは別に、若桑みどり著「クアトロ・ラガッツィ」〜天正少年使節と世界帝国」という本にも、様々に検証した記録を基に少年使節団とこの時代に起きた出来事が大変詳しく書かれています。(2003年初版)こちらは5センチはあるとてもボリュームのある著書になっていますが、映画も本もご興味のある方は、御覧になってみてはいかがでしょうか?

この夏のオススメの映画です!