メアリと魔法の花
「メアリと魔法の花」を観てきた。
あまり下調べにせず、魔法使いの話らしいという程度で、行ってみた。
絵は美しく、センスがよかった。
私は「借りぐらしのアリエッティ」が好きだったので、
そのイメージに重なるところも多かった。
ただ物語自体は単純で、設定も古今東西の物語の寄せ集めのように感じた。
主人公の少女も、さほど魅力的には感じないし、正直、少し物足りなさを感じた。
一緒に行った友人は、
「主人公一人の魔法の特殊な力というより、偶然と総合力のようなところがいいね」と言った。
それを聞いて「なるほど」とは思ったがさほど、見方の転換にはならなかった。
その日の夕刊のコラムに
「ジブリはいち早く原発反対を打ち出している。『メアリと魔法の花』は、そのメタファ的な映画」だと評されていた。
そう聞いて、「へー、」と驚いたのと、
友人の言う「偶然と総合力」という考え方に「そういうことか」と納得感があった。
魔法というものをどうとらえるか、少し自分に想像力がなかったのだなと思った。
単純なものほどその奥に何があるのか考えてみる余地があるのかなとも思った。
でも、かといって、「観ておいでよ。お勧めだよ」という気持ちにもなれないのも事実である。
単に好みに合わなかったというだけのことでもあり、
裏メッセージに気づけなかった悔しさであろうが。