人間関係フィールドワーク

今の職場に移って、3年目の春を迎えました。
平日の昼間、フィリピンにルーツを持つ子どもたちの学校となっている為、今年度もN大学の学生3名が実習生としてやってきました。12月まで、春・秋学期の21回、日本語、算数、音楽などを担当してもらい、自ら授業を創り、子どもたちに教えるという先生の役割を体験します。
実はこの授業は、私たちSeedsの母校で始まった授業です。
人間関係を学ぶには、リアルな場である現場(フィールド)に出て行く必要がある、という発想から生まれたそうです。
N大学に学科が移行した後も、人間関係フィールドワークという名前で継続されています。
大学での学びは、どうしても関わる相手が同じ世代、よく似た価値観や背景のもの同士になってしまうため,限られた狭い範囲での関わりと言えます。
その中で、全く違う世代や背景のある環境に身をおき、そこで出会う人たちとの体験は、たくさんの学びがあると思います。
勉強といえば、正解に早く近づくことが求められ、私もそのような意識で教育されてきた経験があります。けれども時間をかけて、様々なアプローチでものを考えてみると、正解は一つではなく、複数あるかもしれないことに気づかされます。
人間関係フィールドワークの授業では、ねらい(学習目標)が示されていて、その一つが「人間、人間の尊厳、愛、生きる、かかわる、援助、など人間の本質について体験を通して考える」と、あります。
多様な人々が生活している現代社会において、学生たちが、体験の中から一つ一つの出来事に出会い、そこに生きる人との関係を通して、自分や他者について、あらたに気づくことでしょう。学生ひとり一人に個性があり、違いがあるように、子どもたちも違うので、関わり方も当然違ってきます。今週上手くできたな、と思えることも、次の週には、全く通用しないことも起こるし、失敗の連続でも、その失敗から学ぶことが大切だと知ることからのスタートではないかと思います。
 まだ始まったばかりですが、彼女たちが、一つ一つの物語を紡いでいく体験から、自分の中にたくさんの引き出しを持つことで、自分らしいやり方を見つけ、柔軟に対処する力をみつけていってほしいと思います。
このことは、実は、可愛い後輩でもある学生さんへのエールでもあるのですが、私自身も、同様に、人々との出会いを通して、学んでいこうと思っているところです。
 
 

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