いつも近くに

親友のひとりがなくなって、まもなく3年になる。
訃報をきいたときは、本当にショックで、ことばもなく落ち込んでしまった。がんだった。
それから時間が経つうちに、何かあるとつい彼女に心の中で話しかけている
自分がいることに気づくようになった。
20代のころはいつも一緒に出かけたり、食事をしたり、遊びに出かけたりしたし
お互いの恋愛、結婚の話もよくした。子供ができてからも行き来していた。
ふつうは言いにくいことを、さらりと、相手のために上手に言える人だった。
私には、いつも近くにいてくれる、ありがたい存在だったように思う。
だからだろうか、すぐには、彼女の死が信じられず、
今は、まだ、私の近くにときどききて、見守ってくれているような
気分になってしまうことがある。
悩みを抱えているとき、なんとしてもクリアしなければならない
場面で焦っているとき、どうしようもなくて、疲れ切っているとき、
どこかで、そんな私を見ていてくれるような気がして、
周りに誰もいないときは、声に出して、話しかけてみることもある。
ひとりで抱え込んでいた鬱積したものが、声を出すことで
ふっと軽くなって、「ひとりじゃない、見ていてくれるはず。」と
勝手に思えてきて、そう信じていることが心地よい。
人生の中で、そう感じられる友に出会えたことは、有難いこと。
どんな形で、彼女の供養ができるのだろうと考えても、なかなか
ふつうの形ではできていないのだが、いつも近くにいてくれると
信じて、ときどき心の中で話しかけてみよう。
そばにいてくれるだけで、こころづよい友達。
あなたは、いますか?
だれかに、そうなれていますか?
 

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