自然への驚き
ここのところ、あまり嬉しくないことで驚かされることがいくつかあった。
その中の1つが、盛んに報道されている御嶽山の噴火である。
私にとって御嶽山は最も馴染みの深い山だった。
その理由はいくつかある。
まず、3000メートル級の山で頂上まで登った2つの山のうちの1つ。
南山大学の学部生のTグループなどで、30年以上にわたり何度となく訪れている。
天気によるが、我が家の屋上や南山大学の教室から綺麗に見える。
お腹をこわしたら、まず御岳百草丸を飲む。
などなど…
何度も行っているのので思い出も多い。
富士山も好きだが、御嶽山もそれに勝るとも劣らない好きな山なのである。
それだけに今回のことは残念でならない。
活火山であることは知っていたし、自然の現象として噴火は仕方のないことだ。
しかし、あまりに多くの人が被害にあってしまった。
被害にあった人たちの多くが、休日に秋の紅葉を楽しみに行ったのだろう。
幸せな日々があの日で終わってしまうことなど思ってもみなかったことだろう。
私は一週間9月10日まで御嶽山にいて、毎日のように美しい頂上を眺めていた。
そしていつもその姿に、心落ち着かせてもらっていた。
被害にあった方々も、それとなんら変わらない思いでいた人たちだったと思う。
それを思うと他人ごとではなく、心が痛む。
少しでも早く心安らかになれる場所に戻られることを、願わずにはいられない。
御嶽山は山岳宗教の山でもあり、これからも変わらず凛として存在していることだろう。
ただ、その姿を前に、私たち人間は自然への畏敬の念を忘れてはならないのだろう。
そして、その自然の中で生かされている人間一人ひとりをも、
かけがえの無い存在なのだと思う。
犠牲になられた方の冥福を祈ります。