忘れられない体験

私が高校野球好きであることは何度も書いている。
ただ私がいつも関心をもっているのは硬式野球である。
でも今回は、この数日軟式野球で新聞紙上を賑わしていたことに触れたいと思う。
皆さんもよく御存じのことと思うが、中京(東海・岐阜)VS崇徳(西中国・広島)の準決勝のことである。
中京高校は東海地区の代表でもあり、中日新聞は一面で取り上げていた。
延長50回で決着がついた翌日の朝刊は、一面がスコア表で横一文字に分割されていた。
結果は3-0で中京が勝ち、続いて行われた決勝も勝ち優勝した。
選手は考えられないくらい疲れていただろうに、最後まで笑顔で戦い続けていた。
決勝は崇徳の選手たちが中京の応援団と一緒に応援をしていて、習ったわけでもないだろうに振り付けも同じようにやれていたのに驚いた。
おそらく4日間戦っている間に何となく覚えてしまったのではないだろうか。
とことん戦い抜いたことが、こんなところからも感じられる。
応援していた人たちも、さぞや大変だったと思う。
TVのインタビューに答えていた選手のお父さんは、部下の結婚式をスピーチがあるにも拘らずキャンセルしたと言っていた。
私も息子の野球をずっと応援してきたが、長男の高校最後の試合は延長14回だった。
硬式野球は延長15回で翌日再試合なので、また明日かと思い始めた頃に決着がついた。
終了の瞬間にセンターを守っていた息子が、テディーベアのように座り込んだ姿を見て、色々な思いと共にドッと疲れが出たことを今でもはっきり覚えている。
試合終了後には熱中症の症状を起こした選手も何人もいたし、メンバーの一人は12回位からはっきりした意識がなかったと言っていた。
今回の中京や崇徳の選手や応援団は、それを3倍以上やり続けたのだから尋常ではない。
特に選手の親は1球1球にドキドキし、喜び、ガッカリし、自分でやっているわけでないからこそ心配したりイライラしたり、思ってみただけでも大変である。
心の底から「お疲れさま」と思う。
この経験は必ず彼らの宝になると思う。
それは応援していた親にとっても同じだ。
今でも2人の息子の高校最後の試合は、リアルな感情と共に私の中にある。
息子たちから貰った本当にありがたい経験だった。

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