こんなの好きです

今日はお休みだったので、映画の日を利用して2本の映画を見てきました。1本は精神分析で有名なフロイトとユングを描いた「危険なメソッド」。もう1本が、フランス映画の「最強の二人」。今回、紹介したいのは2本目の「最強の2人」です。
私は前からヨーロッパで作られた映画がどうも結構好きで、すっごい評判の映画じゃないけど面白そうかなぁと思って見たものの中で気に入るのはヨーロッパの映画が多いのです。今回も新聞の紹介欄で知って「面白そうかなぁ」「見たいなぁ」と思っていたものでした。そう思っていても見られないことも多いのですが、今回はチャンスに恵まれたので思い切って2本見るという贅沢をしてしまいました。
さて、詳しい内容はネットで検索していただいた方がいいかと思うのですが(また、これから見ようと思っている人はこの先読まない方がいいかも・・・)、簡単に言ってしまうと、実話に基づいた話で障がい者の大金持ちの男性(以後は彼と書きます)と黒人で前科のある無職の男(以後は男と書きます)の間で築かれていく友情の話です。首から下のが麻痺をしていて車いす生活というか全てに介助が必要な大金持ちが、その介助者を募集する中で雇われる気もなくふらっと現れた男にちょっとした興味を持ち、その人と過ごす今までと違う日々を描いています。
ここで私が今までと違うと書いたところが、この映画のポイントです。普通なら障がい者だからと気を遣ってさせないことや言わないことを、この男は何のためらいもなくやっていくのです。最初など本当に感じないのかが知りたくて熱いお湯を平気で足にかけてしまったり、自分が食べていたチョコ菓子を欲しいと言われても「健常者用だよ」とか言ってなかなか食べさせてあげなかったりするのです。でも、夜中に呼吸が乱れて寝られなくなっている彼に優しく手を添え「大丈夫だから落ち着いて」と優しく声をかけていったり、空気が吸いたいという彼を何の戸惑いもなく外に連れ出し、Cafeでゆっくり話をしながらお茶を飲んだりするのです。健常者同士の付き合いと区別のない男の対応が、彼に怪我をして以来経験することのなかった多くの体験を運んできてくれるのです。そして2人の間には障がい者と健常者、お金持ちと貧乏人、雇主と従業員という区別を全く感じさせない人と人との関係が生まれ、それが彼ら自身や彼らの周りの人たちに変化をもたらしてくれるのです。映画ではそういった日々が、ある時にはウイットに富び思わず笑ってしまうように、ある時には少しシビアにドキドキする感じに描かれていました。
沢山素敵なシーンがありましたが私が最も好きだったのは、彼の誕生日に生オーケストラが様々なクラッシックの音楽を奏でると、男は「ダンスができなきゃ音楽じゃない」とか「CMで聞いたことがある」とか、「職安の音楽だ」とか言いながら聞き、その後で「じゃあこれを聞いて」とアースウィンド&ファイヤーのセプテンバーをかけ、リズミカルにそして軽妙に踊って見せるのです。体の動かない彼に遠慮していた人たちもそのうちにリズムをとりだし、ついには男の誘いに誰もが楽しそうに踊りだすのです。その様子を見ながら彼も唯一動く首から上でリズムをとり、みんなの様子を本当に楽しそうに見ているのです。私も思わず映画館の椅子に座ったまま、足でリズムをとってしまいました。そして、こんな風に誰もが付き合うことができたら、こんな風に誰もが一緒にほんの些細な幸せを感じることができたらなんて素敵なんだろうと思いました。ちょっとオーバーかもしれませんが、私が目指す人との関係がここにはあると感じたのです。
まだまだお伝えしたいことはあるのですが、ちょっと長くなって疲れてきたのでこの辺で終わりにします。このブログを見て興味を持った人は、是非見てください。決して配給会社の回し者ではありませんが、見て損のない映画ではないかと思います。
今回はお勧めの映画を熱く語ってみました。
がー子

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