にんかんちっく

 先日、ある会の合宿に参加した。年に1回、全国から同じ学びの仲間が集い、運営総会および、先人による講演、参加者が持ち寄った研究発表や実習の実施、クリティーク、ディスカッションなどを行っているものだ。
ある話合いの時、ひとり1枚ずつA4の白紙をもらって、自分がとらえている「プロセス」について自由にて書いて欲しいと言われた。人にどう説明しているか、どんな言葉で伝えているか。
私は、思いついたイメージを、色と形であらわしたくなって、配られたカラーのマジックペンでのびのびと描いた。
たまたま隣に座っていた男性は、淡い筆ペンで、横書きの文字で文章の形で書いていらした。
一通り、各々の書いたものの発表が終わり、みんな違うなあと、思っていたところ。
発題者が、それをまとめたいので回収させてほしいとおっしゃったので、提出した。
そのとき、隣の男性は、「あれ、これはA4を、縦に使って書かないといけなかったのかな??」と
心配そうにつぶやいた。
その方は、A4を横長に使って、文章を書いていたから、気にされたようだ。
確かに大半の方が、縦に使って書いていた。
私は、「それぞれ自由でいいと思いますよ。」と言うと、「もしかしたら、縦の方が、都合がいいのかも
しれないと思って・・・」と、発題者に気を使ってそうおっしゃった様子だった。
ふ~ん。
そこで、なんだか、すごいギャップを感じてしまった私に気づいたのだ。
今から35年まえ、短大での2年間に、こういうことに対しての感覚を、もしかしたら180度
私は転換したのかもしれないなと・・・。
授業もユニーク、自由な学科だっただけに、白紙を与えられ書かされることはしょっちゅうだった。
罫線もなにもない白紙。場合によっては、模造紙とい大きなB紙。
色のマジックペン、クレヨン、自由に書いたり、描いたり、表現したり。
そのときに、浮かんでくるイメージや、書きたい事柄を、個性豊かに描いていい。
もちろん、用紙は、縦でも、横でも構わない。
おそらくそれ以来、マジックペンやクレヨンなどを使って、自由な発想で書いていい場面では、
好きなように書くのが当然。縦でも、横でも、切っても、貼っても何して表現してもいいと理解してきた。
だから、当然、このときも、発題者に聞いたわけでもないのに、当然自明のこととして、
「自由でいいとおもいますよ」と、即座に答えていた。
こころの中では、「そんなの あったり前じゃんか!」とつぶやきながら。
もしも、発題者が、用紙を縦で統一してほしい理由があったのなら、最初からきっと言うだろうし、
私は、それでも、描きたいように描いたと思うし、そういうことに捉われるのは、不自由だなと
思ってしまった。
でも、普通の人は、もしかすると、そんな感覚は持ち合わせていないのかもしれない。
白紙に描く=自由に描いていい。は、もしかすると、私だけの発想なのかもしれないなと。
ルーツをたどれば、にんかん時代に培ったものなのかも。
そして、発題者が回収した用紙の使用法に対して思いやりを持たず、「自由に」が、推奨されているに違いないと、勝手に思ってしまっていることにも、気づかされた。
ほんとうのところは、確かめていないから、定かではないけど、こういうの、「ニンカン」効果なのかもしれないと、妙に納得したのでした。
みなさんにも、「にんかんちっく」な癖や発想ってありますか?
 

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