生まれ育った家

 今週の月曜日、体調をくずした父の様子をきこうと終業後実家へ電話したら、母が暗い声で叔母(父の妹で多分75歳ぐらい)が日曜日から行方不明になっていると話し出した。もともと叔母は脳梗塞から認知症になっており、徘徊が始まってしまったのかもしれない。さすがにこの冬の寒さもあり、伯父が警察に行方不明の捜索願いをだしたようだ。母は警察から連絡がはいって事の次第をきいたらしい。
 私はその時はまだ職場のロッカールームだったので、どうしてもはずせない用事を済ませ、自宅に帰ってもう1度すぐに母に連絡をとった。場合によっては叔母の家にいかなきゃ~っと思っていたが、その後母が警察に確認したらなんと叔母は無事保護されていた。まずは一安心(フゥ~)

 警察から日曜日にどうして母に電話がはいったかというと、伯父が警察に「ひょっとして叔母が実家である(私の父と母がくらしている)生まれ育った家に帰ってくるかもしれない」と言ったからだ。それで母は叔母がいつ来るかもわからないので、あまり眠らず一晩待っていたのだが、後できいた話によると叔母はやはり地下鉄の最寄り駅まできていて、その先のバスを乗り間違えてウロウロしているところを保護されたらしい。
 私の実家は叔母にとっては幼少期を過ごした家で、思い出がいっぱい詰まった場所なのだろう。嫁いで40年ほどたってもやはり叔母にとっては原点なんだろうなぁ~、と思うと叔母がなんだかとても愛おしく感じた。
 しかし、この寒いなか日曜日一晩を彼女がいったいどこでどんなふうに過ごしたのかはいまだ謎だ。

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