せわやきナビ

 大学生になった息子が車の免許をとった。
隣に乗って、運転を見守る役を何度もやらされている。
最初はずいぶん肝を冷やしたが、このごろはだいぶ上達した。わたしも彼の運転になれてきた。
先日、息子が祖母と車で近所のスーパーに買い物に出かけた。そこの駐車場を出たところは一方通行の道である。しかし、夜だったのでわかりにくくて、逆走しそうになったらしい。何にもぶつからずに済んだが、大慌てになったようだ。祖母は運転ができす、一緒にあわてただけだった。それでも一人でいるより心細さは半減したようだし、「これも経験だ」と慰めてもらったようだ。
もし、わたしが一緒に乗っていたら、あらかじめ一通であることを知らせるだろう。
大慌ての経験はしなくて済んだと思う。しかし、彼にとっては、どちらが良かったか。
おおごとにならなかったから言っているのかもしれないが、祖母の言うとおり「これも経験だ」ということのほうが大切なのではなかろうか。
「かわいい子には旅をさせよ」
少し大げさかもしれないが、母親とは、ついつい先回りのせわやきナビゲーターになりがちだ。母というファシリテーターであるためには、たくさんの経験を積ませることを選びたいものだなと思った次第である。

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