チョコレートの香り

 家には娘が3人います。長女は今は別に暮らしているので、今年のバレンタイン・イブは下の二人が格闘しています。
三女は毎年「クッキーを焼く」と言い、今年は生地作りから型抜きまでを一人もしくは、姉の力を借りてやることになりました。(実は今、私がこうしている間にも、まだ格闘が続いています)
今まで、私と一緒にやって来た何年かのノウハウを生かせるかどうかが、効率化の大きな分かれ目のようですが、なかなか、思ったようには行かないようです。
次女は高校に入るまでは男の子にあげるわけでも、俗に言う「友チョコ」も手がけずにいましたが、高校で部活のマネージャーになってからというもの、1年生のときは50個ずつの、チョコドーナツとドーナツのチョコ掛けを作り、部員を初め顧問、マネージャー仲間にプレゼントし、2年生になってはココアスポンジの特大ロールケーキを3本焼いてカットし、ケーキやさんさながらの個別ラッピングで30個あまりを配ったようです。そして今年、部活は引退したものの、進路も決まり、配る予定の数も同じ学年だけ(今年度限りで閉校になる学校なのです)なので20個足らずとなり、さぞかし気合いを入れるかと思いきや、「どーせ会わないから」と、「義理チョコ」用に5つもあれば充分なんだそうです。
かくして、次女はあからさまに「手助け」とは、誰にも悟られないように、三女の作業を見守り、“私だってやるに決まってるさ”とばかりに、型を抜くために生地を延ばす作業から手を出し始めました。二人で楽しそうに、実は大変な作業を地道に続けること3時間近く、深夜近くまで及んだ作業を終え、妹を風呂に押しやり、次女はさっさと作業をしていた食卓の片づけをしました。
きっと三女は、姉の“手助け”をそうは思っていないでしょう。
私はというと『今までもそうだったな』と思いつつ、その様子を眺めていました。
小さい頃から誰かのサポートは邪魔にならない、必要最低限だけというのが次女の特技(?)です。私もそんなふうに出来たらいいのになとうらやましく思うこともしばしば。
当然というか、自分のことに対しても同じで、過度の手出しはとても嫌がります。「ちょっと、かあさんやってよ!」というタイミングが絶妙なんです。
今回、登場しなかった長女はがんばりすぎてしまうタイプ。
どうして、同じように育てたつもりなのに、3人それぞれなんでしょうか。
ここまで書いて、はたと気がつきました。「3人の子育ては同じじゃなかったんだ」と。
親の方も一生懸命だった長女、子育ても慣れて来てほどほどだった次女、他の忙しさに「まあ、いいか」と手を抜くことも多かった三女。その違いが出ているのかもしれません。
でも、視点を変えれば、長女は任せておこうと思えるタイプ、三女は毎日楽しく過ごす方法を良く知っているように思えるタイプです。次女は3人の中では一番、誰も入らせない自分の世界を持っているタイプかもしれません。
それに知ても、やはり『程々は美徳』なんだなと改めて思いました。


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