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このブログを書いているのは実は9月13日です。
月に1回以上の更新を目指しているSeedsブログで
7月の執筆担当は私だったのですが,
私事にまぎれてすっかり投稿を忘れてしまっていました。
見に来てくださった皆様,ごめんなさい。
ずいぶん投稿が遅れてしまったのですが,
7月の日にちで投稿しますね。
みなさんは「あし」と聞くと,人間の身体のどの部位を思い浮かべますか?
広辞苑を引くと
1.動物の下肢の部分。
2.形・位置などが,動物の足に似ているもの。
3.動物の足のように,移動に使う,または移動するもの,また,その移動。
と大きく3項目の意味があり,さらに1は
①胴から下に分かれ出て,身体を支え,また歩くのに使う部分。
②(特に人間の)足首から下の部分。
とあります。
私は漠然と「あし」は胴体の下についている2本の歩行器官のことを指すと思っていて,さらに,足首から下の部分も「あし」だと思っていました。つまり広辞苑で言えば,1.の意味で捉えていました。
ですから私にしてみたら,大まかに言えば
太ももも足ですし,
ひざも足,
ふくらはぎとむこうずねの間にあたる場所(要するに側面)も足,
足の甲のあたりも当然,足です。
実に大雑把な捉え方ですが,
今まではそういう大まかな分類で困ったことはありませんでした。
「あし」と言って相手に伝わらなければ,
さらに言葉をついで説明すればよかったのです。
私は私以外の人たちも私と同様の認識なのだろうと漠然と思っていました。
病院でアルバイトを始めてわかったことなのですが,
人間の身体には,細部にわたって異なる名称が付けられていて,
「○○」と言えばそれは「○○」以外の場所ではなく,
会話する両者の間で正確にその部位が特定されることになっています。
身体の地図,所番地が詳細に決められていると言ったらよいでしょうか。
「あし」で言えば,
胴体の下についている2本の器官は大きくは「下肢」であり,
大きく分けて,下肢の上部は大腿,ひざを境に下が下腿,
足首から先が足です。
足の指にも,筋肉にも,骨にも一つ一つ名称があります。
私は医師でも看護師でもなく,
身体部位についての名称を正確に知る必要があるということも知らずに
病院という現場に飛び込んでしまいました。

病院で働く人にとって(おそらく介護などで人の身体に触れることが多い仕事を職業とする人々にとっても)
身体部位を正確に識別することは大切なことで,
お互いが正確に識別できる言語を操っているもの同士という前提で働いているのではないでしょうか。
「あし」という言葉は一例です。
相手と正確な情報をやり取りしようとするときには
両者の間で概念を一致させていないと話は通じません。
話がなんとなく通じている気になることはあっても,
突き詰めていくと大きく異なっている可能性があります。
日常用語としての「あし」は知っていても,
専門用語としての「あし」は知りませんでした。
私の職種は患者さんの身体に触れることはないのでまだよかったとは言え,
身体部位の名称を正確に知らないままで病院で働こうとしていたなんて
冷や汗ものです…。
「まんま」や「ブーブー」しか知らない状態で,
文学作品を読むようなものでしょうか…?
病院という現場で働こうと思うなら,
そこで使用される専門用語くらいは覚えないといけないですね。
私はこの現場ではまだほんの赤ん坊のようです。


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