プロジェクトチーム

私は聖公会というキリスト教派のセンターで仕事をしていますが、10年毎に様々な課題について話し合い、そこから次の10年に向けた提言が出されています。

10年毎に・・・というのは、聖公会に属する各国の主教たちが10年毎に英国で開催される会議に出向き、ここで提案された内容が指針になっているからです。昨年からのコロナ禍でこの会議(ランベス会議と言います)が再延期となり、来年の開催に向けてプレプログラムの準備が、まずオンラインで始まったそうです。

各国の主教がカンタベリーの大聖堂に集まり、近隣の大学で2週間に及ぶ大掛かりなプログラムだそうです。ここでは祈りと聖書の学び、交流のひとときを持ち、教会や社会のさまざまな課題を話し合うそうです。第1回のランベス会議が1867年に開催されたので歴史的にも古くから継承されている大変重要な集まりと言えます。
数年前、私も夫とイギリス旅行をした目的の一つが、カンタベリーの大聖堂に行くことでした。念願叶って、カンタベリー滞在を満喫しました。特に印象に残ったのは、夕の礼拝を地元の人たちに混じって参加できたことです。

日本版の10年毎の会議は、2012年に日本聖公会宣教協議会という名称で開催されました。この10年の活動をふりかえるためのアンケートが私の職場にも届きましたが、来年清里で協議会が開催予定です。

「この10年の働きの中で丁寧に取り組んできたと思われることを一つ教えてください。(小さなことでも構いません)」といった記述式の回答です。

2012年と言えば、どうだったかな?? 記憶を辿ってみると、あの頃、元気に活動の中心メンバーだった方々が今は現場を離れたり、天国に旅立ったりといろいろな変化もありました。そして私もまだ50歳に入ったばかりで、今より何かと動きも機敏だったような・・・。
その数年後には、それまでのさまざまな活動を見直す時期と重なり、その中から、子どもの発達支援の取り組みが始まりました。2016年の頃です。
教会のメンバーの中に、この分野の経験者や専門知識のある人たちがいて、2017年発達支援プロジェクトチームを立ち上げました。
その後、3年間の活動中、月に1回のペースでプロジェクト会議を開いたこと、その中から支援の必要な親子向けのサロンや遊びのひろばが立案されていきました。
一歩一歩、活動を広げて取り組んでいく中で、地域に親しまれて浸透していくためにも、法人格の取得、そして直近では2021年2月には県の認可を受けた児童発達支援事業所の開所にまで広がっていきました。

関わった人たちが、それぞれの特性を発揮してよく頑張ったというのが実感です。この事業はまだ始まったばかりの現在進行形ですが、軌道に乗るにはもう少し頑張りが必要です。
同時期に、同市内で児童発達支援事業所が複数開所したこともあり、魅力的な事業所として認知され利用者が増えていくことが必要です。

ところで、Seedsでは、「プロジェクトチーム」というタイトルのコンセンサス実習を作ったことがあります。特徴的な経歴や個性ある人たちから、誰をプロジェクトメンバーに採用するかをコンセンサスの手法で決定していくという実習です。
話し合いの中では、誰に決めるか以前の問題として、プロジェクトでは何を大切にするかというところが大切になっていきます。そこをしっかりと共有した上で、じゃあ誰を選ぶ?それもお互いの見方や考え方の違いを丁寧に共有していくことが求められます。
先ほどのプロジェクト会議でも、十分に意見が言える雰囲気がグループにあるのか、違う意見や異質な考えを排除するような風土はないか、共通の目標が共有されているか、などのポイントが大切になっていきます。

上からの指示ではなく、言いたいことが十分に言えないような風土にならないためにも、グループが柔軟に機能していくことが、豊かな共同体としての活動に繋がっていくように思います。

さて、私たちの活動する共同体、グループはどうか・・・。その点も念頭において、活動を展開していこうと思います。