名もなき仕事
「名もなき家事」という言葉をこの頃知った。
たとえば、家事は、料理、洗濯、掃除とざっくりいうけど、
その中には、料理で言えば、食材の買い物、食材の在庫管理、ふきんの交換、排水溝の掃除など、
細かくたくさんの仕事がある。
家族で家事を分担する時、
この細分化した仕事内容をどこまで分担できるかはなかなか難しい。
分担しきれなかったところは、結局気づいた人がやることになる。
となると、気づく人とと気づかない人がいるわけで、
それは経験の差でもあるし、家事に対する意識の違いでもあるように思う。
気づいた人は「なんで私ばっかり負担が大きいわけ?」と思い、
気づかない人は「自分はしっかりやっている」と思っている。
この差を埋めるため、家事をシステマティックにしたらどうかと、
住宅メーカーが知恵を絞って、提案をしているらしい。
モノの置き場所を決めたり、家が汚れにくくしたり、
片付けの手間を一つ減らせるような、構造的な工夫である。
しかし、考えてみれば家事に限らず、あらゆる仕事に「名もなき仕事」がある。
仕事ができるとかできないとか、うまくことがはこぶかどうかは、
この「名もなき仕事」を、チームでいかに公平感をもって、あるいはカバーしあって、
こなすことができるのかにかかっているように思う。
そこをリーダーが心得て調整することができるか、あるいは一定のルール作りをするように話しあえるのか、
特に人の入れ替わりの多いところは、その確認作業は重要なのではないかと、
いろいろな人と一緒に過ごすなかで、この頃思うことである。
また、人それぞれが口には出さないけど、工夫して行っている「名もなき仕事」に
気づける人にもなりたいなと思う。
きっと、尊敬や感謝の気持ちが芽生えるであろうから。