バベルの塔

9月に入って急に涼しくなり、日の短さも感じるようになりました。
秋のお彼岸になり、書店には、早くも2018年の手帳が並び始め、
あれよあれよという間に年の瀬がやってくるんだという気持ちになっています。
季節の進みが早いので、3週ほど前が8月とは思えず、
なんだか調子が狂う気がしますが、
そういえば8月の終わりに
大阪の国立美術館でブリューゲルの「バベルの塔展」を見てきたことを思い出しました。
東京はすごい人だったらしいので、混んでいるかと思いましたが、
全然そんなことはなく、堪能できました。
まるで細密画のように細かい描写と、美しい空の青が魅力的だなと思いました。
バベルの塔を作っているさまは、
まるでサクラダファミリアを作り続ける現代人のような気さえしてきました。
バベルの塔は、人間が天にも届くような塔を作ることに神の怒りをかい、
神は人間が様々な言語をもつようにしてしまわれたのという話があります。
だから人々が塔を作ることはとても難工事になっていくのですが、
それでも工夫してあれこれ試行錯誤し協調する姿は、
逆に人間の秘めたる可能性が浮かび上がると評されていました。
その言葉を聞いて、バベルの塔が人間賛歌のように感じられ、
より一層好きになりました。
バベルの塔以外にもたくさんの版画の展示があり、楽しく見ることができました。