一人ひとりの世界
先日、南山大学人間関係研究センターの公開講演会に行ってきました。テーマは「映画を通して『知る』多様な世界~ダブルマイノリティとして生きる~」講演者は映画監督の今井ミカさんでした。彼女が制作した「虹色の朝が来るまで」という映画を見て、その後彼女の講演を聞きました。
失礼ながら、今回私は凄ーく積極的に参加しようと思っていたわけではなく、むしろ友人がFacebookなどのあげていたので、ちょっと行ってみるかという感じでした。ですが、行ったら私にとっては大きな気づきが得られました。
タイトルにあるように今井さんは、ダブルマイノリティと言われる方です。ろう者でありLGBTQの人です。私は手話通訳者の研修などに携わったことがあり、また自宅の割と近くにろう学校があったりするので、ろう者は結構遠い存在ではない意識でした。ですが今井さんの映画を見て、話を聞いて、私の中にはっきりと自分とろう者は別の世界の人という感覚があるのだと気づきました。
もちろん私は聖人君主とは程遠い人なので、偏見もあれば思い込みもあることは知っていました。でも多様性が大事なことも、人間の尊厳もよく理解しているつもりでした。でも理解しているので、感覚として感じているのではないのです。私の世界とは違うと線を引いて、その人の世界はこうだよねと思っている。それどころか相手の世界を知ろうとすらしていないのかもしれません。個々のお友達となれば違うのかもしれませんが、それも自信がありません。
マジョリティだのマイノリティだの言っているうちは、ダメなのかもしれません。同じ一つの空間にいて一人ひとりの世界があって、一人ひとりの世界がどう違っていてもそれが当たり前で、必要な時には自分のことのように感じられる。一人ひとりのもっているものが何でも、ひょっとしたら特殊なものでも関係ないのです。誰もが唯一無二の存在なんですから。心底こう思える日が私に来るでしょうか。頭から心に降りてきて欲しいものです。
私の世界は私の世界。あなたの世界はあなたの世界。どっちもたった一つの大事な世界。
繋がれたらいいなぁ・・・