入道雲

先週は、大雨の被害が全国各地で起きて、まだまだその状況を受け止めることも

ままならない様子や、復旧には困難を極める状況などが報道されている。

被害のあった方々の気持ちが、少しずつでもやすらぐことを祈りたいと思う。

 

そして週が明けて、東海地方も梅雨明けしたという。

ここから見える空には、もくもくとした入道雲が青空に真っ白いコントラストで、

輝いて見える。

 

今朝は、セミの声らしい鳴き声も聞こえた。

例年よりも10日くらい早いが、梅雨明けの知らせのようだ。

 

この数年、ベランダにささやかに花の苗やハーブを植えている。

私がPC作業をするこの場所から、よく見えるところに

その花たちは、ちょっと暑そうに、このところの雨で、茂ってきた葉を揺らせて、

力強く、赤や、ピンク、白、紫の花を咲かせている。

 

毎朝、水やりをしに、ベランダに出て、外の空気を感じてみる。

葉や花の伸び具合を見ながら、日当りを考えて、ちょっと鉢やプランターの配置換えを

してみると、また、違った見え方になり、新鮮だ。

 

毎日忙しく、時間に追われる生活をしていた頃はなかなかできなかったが、

私にとっては、この時間はかけがえのない、至福の時間だと、この頃しみじみ思う。

 

なんの変哲もない、草花たちだけれど、毎日、同じということはない。

ミントの葉が、どんどん伸びてきて、生き生きした息吹を感じることもあれば、

小花たちが、咲き終わりを迎え、しぼんでいる花殻を摘みながら、また、新しい

蕾が膨らむのを、楽しみにする。

 

街中に住んでいるので、大自然の中に生きているわけではないが、

身近な自然を感じながら、空の景色を眺め草花を世話する。

 

先日、書店で、神谷美恵子「生きがいについて」が目に留まった。

昔から、神谷美恵子の著作が好きで、何冊か読んで持っているが、

久しぶりに、手にとってみた。

NHKの100分で名著にも取り上げられたようだ。テキストで略年譜をたどると

神谷美恵子は、小学生の頃3年間、父の赴任地のスイス、ジュネーブで、ジャンジャック・ルソー

教育研究所付属小学校に通ったとされている。

神谷とルソーの出会いのことは知らなかった。

 

ルソーの「エミール」は、少し前にSeedsの仲間と共に、全3巻を時間をかけて読み解いたが

頽廃的な都会人の暮らしを良く思わず、自然に帰れと言っていた。それは、原始的な暮らしをせよというのではなく

自然とのつながりを感じながら、生きることを指していたのだろうと思う。

神谷も、「生きがい」は社会や人が作り出すものというよりも、もっとも深い意味で、

「自然」が与えてくれるものであると感じていると書かれている。

ちょうど、エミールを読んだばかりで、この偶然にちょっと魅かれて、「生きがいについて」を

読んでみたくなった。

 

人は、自分主体で動いていると感じがちであるが、自然とのつながりの中に生かされている。

鳥のさえずりを心で感じるように、隣人の言葉と向かい合うとき、眠れる「生きがい」が、

何ものかによって照らし出される。のだという。

 

入道雲がいつの間にか、夕焼け空に変わった。

 

刻々と移り変わる空や草花などの自然を感じながら、感じ取ること、

生かされていること、そして、被災地のことを思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

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