バスの中で

先週いつものように仕事を終え
いつもの時間にバスに乗車し家に向かいました
その日私の前に40~50歳ぐらいの男性が並んでいて
バスに乗り込む寸前に列を離れてしまったので
乗るバスを間違えたのかと思い私が乗りました
そうすると何人か後でその方が乗り込んできました
(あらっ、間違ってないことに気づいてきっと乗ってきたんだわ)
と思っていたら
運転手が何度もその男性を「お客さん、お客さん」と呼び止めます
しかし彼は全くその声がきこえないのか席に座って動こうとはしません
そのうち運転手が運転席から立ち上がり彼のそばに歩み寄り
「お客さん、お釣りですよ」と彼に釣銭を渡しました
ちょっと変わった人だなとこの時は思っていました
そんなことがありながらもバスは定刻に出発しました
まっすぐ進み途中で地下鉄の駅にも停まり少し混んできました
最初の右折交差点を曲がった時
「ドスン!」という音が響きました
私は前のほうの席に座っていましたが音は後ろのほうから聞こえてきました
まわりの乗客が大丈夫ですか?と言っているのがきこえます
運転手は最寄りのバス停でハザードを点けバスを止めました
「お客さん、大丈夫ですか?」の呼びかけにも応じません
どうも先ほどのお釣りの男性のようです
30代ぐらいの若い運転手が私たち乗客に向かって
「誰かお医者さんか、看護や介護に携わっている方はみえませんか?」と呼びかけ
直ぐに私の前に座っていた女性が
「現役ではないけど一度診てみましょう」と男性のもとに駆け寄りました
(すごいな、尻込みせずすぐに立ち上がって診にいってくれて、なんだかドラマのワンシーンみたい)
彼女は「脈や呼吸は乱れがないけど本人が持病の薬を服用しているようです」となんとかききだし
「念のため救急車をよんでみては」と提案されました
運転手はすぐさま携帯で救急車を呼び
名古屋市内だったので10分かからず救急隊が到着し倒れている彼をストレッチャーに乗せていきました
そして運転手が「16分遅れでバスは出発します」とアナウンスし動き出しました
私は思わず拍手をしたのですが周りでは誰も拍手している人がいなくて
ちょっぴり淋しい感じでしたがまずはホッとしたのでした


