1月の例会

1/21に今年最初の例会を行ないました。今回から新しい文献『ナラティヴ・セラピー』(マイケル・ホワイト著)を読み解くことに挑戦しています。

 

本書では“同定”“メタファー”“ドミナント”“オルタナティブ”等あまり普段馴染みのない言葉が多く個人的にはまずその意味を確かめることから読み始めました。

 

著者が急逝したこともあり、「謝辞」「編者のメモ」「はしがき」「序」ではマイケルへの編者の思いや他のマイケルに関わりのある人からのマイケル像やナラティヴ・セラピーについて、編者がその場その場でみつけたメモや論文・手紙等を参考にして延べられています。ここではおそらく本書を読むにあたって知っておいて欲しいことがかかれているのではと推測しています。

メンバーが「元々ナラティヴはオーストラリアの先住民であるアボリジニと後からやってきた白人社会の間で起こったことに目をむけ、先祖伝来の土地・文化・教育等先住民の意図に反する行為があったそれらの事実を語っていくことで始まってきている」と教えてくれました。

 

第1章では特に自分に対して変える事が出来ないとも思い込んでいる否定的なアイデンティティがナラティヴ・セラピーで全く違う別の物語を構築していけるということが印象に残っています。事実をいろんな視点で語ってみることで事実と真実の違いが明らかになるのではと思いました。

 

ナラティヴ・セラピーでは医者と患者:カウンセラーとクライアントという線引きをするのでなく、また決して誘導やマストでなく同じ一人の人間として相手に向き合う姿勢を大切にしていることが根本にあり、相談業務を生業としている自分自身にグサリと刺さる文章でした。