星の王子さま

最近、「星の王子さま」を読み返してみました。
10代の頃に読みたくて買ったように記憶しています。その時はこの本の良さが十分に分からないまま、少しモヤ〜とした気持ちで本棚に戻したことを覚えています。
そして、ずっと読み返すこともせず、本棚の片隅に残しておいた本でした。
岩波少年文庫53 サン=テグジュペリ作 内藤濯訳
久しぶりに読もうと思ったきっかけは、NHKテキスト100分de 名著シリーズに「星の王子さま」を見つけたからで、本棚に残したこの本のことを思い出したからです。
このテキスト、ご存知でしょうか?
Eテレでも放映されているようですが、私は一度も視聴したことはなく気になるテキストを見つけると買うというパターンです。
初めて手にしたのは、随分前のこと、、、Seedsの文献で取り上げた「エミール」ジャン=ジャック・ルソー著でした。
ダイジェスト版で、わかりやすくまとめてあったりして、こんなふうに読んでみてはどうでしょうか・・的なヒントもあり、内容を理解する上でとても参考になりました。ボリュームもほどよく、読書の副本として注解書的な存在だと思いました。
その後「福音書、新約聖書」も買ってみました。聖書に馴染みのない人にもわかりやすく、私のように多少聖書に触れる者にもたくさんの気づきがあります。
表紙の「言葉の奥にあるコトバ 理解するのではなく心で味わうのだ」というキャッチコピー、そのフレーズにも惹かれました。
今年の春には「村上春樹 ねじまき鳥 クロニクル」のテキスト版にも出会いました。
私の中では、偶然?それとも必然?ちょっとした驚きで迷わず買ったのですが、ねじまき鳥・・・は、物語が進むにつれて、謎めいた比喩も多く闇の中に引き込まれていく不思議な感覚もあって、その理由を知りたいと思ったからでした。
期待通り、私が感じていた不思議な感覚について、理解を深めることが出来て、満足しています。
そのような訳で、「星の王子さま」も、NHKテキスト出版では、2012年12月のようですが、再放送だったのでしょうか・・・。たまたま本屋さんで結構山積みになっていて、よし、これだ!という期待もあり、まずは原本を読んでみよう、その上で、テキスト版も読んでみようと思いました。
手元にある本は、初版が昭和28年、41年に21刷改訂版発行、46年34刷発行 240円 とあり、値段からもひと昔前の時代を感じさせます。
読み出して思ったのは、王子さまの存在自体、空想の世界観があるので、夢と現実の不思議な世界の中で話が進んでいきます。大人が楽しむ絵本の世界がそこにありました。大人の感覚や思考を一旦リセットすることが求められます。それがないと、この本の良さを知ることにはならないのでしょう。
目に見えないものをどれだけ信じれるか・・・が、物語の底辺に流れていて、それは、神様の存在を信じるか、、にも通じるものがあるのかなと感じました。
物語の中では、大人のこころを持った「ぼく」は、読者のわたしでもあり、小さな星からやってきた「王子さま」との乖離した会話がしばらく続きますが、徐々に「ぼく」の視点が変えられていくのです。
大切なものは何か、友とはどういうものか、信じることの世界観について、あたらめて思い巡らすことが出来ました。
さて、今度は、NHK出版のテキストから、さらに深読みしてみようと思い、例の本屋さんに出かけましたが、何と一冊もありませんでした・・。私と同じような思いで、手にした人が沢山いたというわけですね。
ありがたいことにネットで買えることがわかり、早速ポチりとして、近々読んでみようと思うのです。


