どう見えてる?

今月は投稿が遅れてしまいました。研究会で清里に行っておりました。意外にもほとんど雪が無く、驚きました。今年は雪が降っても、すぐに消えてしまうそうです。これも異常気象の現われなのでしょうか?
さて、今月は何を書こうかなぁと考えて、ちょっと身近な障害について書かせていただこうかと思います。
この前の日曜日に最終回が終わってしまったのですが、BSNHKで放送されていた「TRUE COLORS」という番組をご存知でしょうか?色覚障害をテーマにしたドラマで、ファッションフォトグラファーとして脚光を浴びていた主人公の女性が、目の難病である錐体ジストロフィーを患い、仕事も奪われて故郷に帰り、昔からの知人の支えや、海難事故で行方不明になったままの父親の事故の原因が、自分と同じ病気であったことが原因だったことが解明されることで立ち直っていく姿を描いた内容であった。
色覚障害は遺伝的要因が多く、我が家も色覚障害の家系である。色覚障害は珍しいものではなく、男性は20人1人はいると言われています。女性に発症することは少ないが、女性は保因者になります。我が家は私が保因者で、息子たちに影響が出ています。私の家系には何人も色覚障害者がいるので、自分の子どもがそういう傾向をもっていても、あまり驚くことはありませんでした。命にかかわるようなことはなく、他の感覚なども使って日常生活、大きな問題は無く過ごすことができるからです。ただ、検査などを見ていると、私の感覚ではとんでもない色の配置をしたりするので、そういうことには驚かされました。
親(単なる性格かもしれませんが)である私は、息子がどんな風に見えているのかに関心がありましたが、どんなに聞いても分かることはありませんでした。そんな私の関心に嫌気がさした息子が、ある時に「色弱(色覚障害)でなくても、みんな同じ色に見えてるわけじゃないだろう。それぞれ好き勝手に見ていても、同じだと思ってるだけじゃないか」と言いました。私も「仰るとおり‼」と思って、ハッとさせられました。そこからは、どう見えているかに関心はなくなったわけです。ただ、「肉が焼けているか分かりにくい」とか、駐車場で空きを知らせる「赤と緑のランプの色が見分けがつかない」とか言われると、ちょっと不便だなと思います。
ドラマでは、漁師であった主人公の女性の父親が、台風の荒れた海で船のライトの色の区別がつかず大きな船にぶつかり、遭難するというくだりがあります。もしも我が息子も同じような状況になったら、正確な判断はできないのかもしれません。私としては、そんな状況に息子が出会わないことを祈るのみです。
色だけでなく、何でも人は自分の見方で見ているものを、皆同じように見ていると思っています。社会にはそういう思いに支えられていることがいくつもあります。ある意味秩序を守るためには、仕方ないことではありますが、私がどのように見ているかも含めて、本当にいいのかなぁという問いも持ち続けていきたいと思います。
「TRUE COLORS」は何気なく見たドラマでしたが、私にとっては身近に感じられることがあり、ちょっと惹きつけられるものでした。もしチャンスがあれば見てみてください。