芸術の秋

暖かいような朝夕は冷え込むような、日に日に秋が深まっている今日この頃です。
先週、私は「街角の童話」(まちかどのめるへん)というリーディングドラマ という
舞台劇を見てきました。見てきたというと、正確でないかも。朗読劇なので
聴いて見て感じてきたという方が近いでしょうか。
4人の脚本家やそれを目指す人が書いた、4つの作品を名古屋を中心に活躍している
劇団の俳優が演じて見せてくれるもの。
客席は110、舞台と客席には段差がないので、小さなホールでの一体感のある
ものでした。
日常の一こまを切り取った、人と人との心の交流を、セリフと音とで表現するもので
観客の想像力は大きく膨らみます。
「ここは田舎の山の中」と言われれば、その情景が浮かんでくる。
「そこに、大きな帽子にサングラスの若い女性が・・・」というと思い思いに姿を
想像します。俳優は、舞台上の椅子に座って、譜面台にのっている脚本を読みながらも
登場人物を身振り、手振りを交えて演じます。
話にどんどん引き込まれて、いやでも集中してしまうので、ホールの気は密度の濃い
ものに感じました。
4人の脚本家の一人は、私の小学校の同級生。同じクラスで過ごした友人で
社会人になってもメールなどでやり取りをしている女性です。
20年ほど前から、ラジオドラマの脚本を書いては、応募しており、数々の賞も取っていて
今回、作品が舞台になるというので、見に行ったわけです。
はじめて見た、リーディングドラマという舞台劇、大人のためのいい時間だった気がしました。
彼女は、小学6年のとき、「将来は小説家になりたい」と言っていたことを、今も私が覚えているよというと、
本人は「そんなこと言ってたっけ?」と驚いていたけれど、確かにそうだったのを思い出します。
6年の時のクラスの担任は、生徒に読書習慣をつけさせるために、クラス全員に読書ノートを
書かせていて、図書館で本を借りては、感想をノートに書いて提出するというのがきまりでした。
どんな本が、いいか、つぎはどれにしようかと、悩んでいるときに、彼女が、「この本はこんなところが
面白かったよ。」と紹介してくれたこともありました。かなりの本好きで、読書家だった彼女はそのころから、
創作の物語を書いていました。そして今も脚本を書くという形で、それをずっと続けていて、それが舞台劇になったことは
私には、とても誇らしく、うれしいことに思えました。
「じゃあ、自分をほめてあげてもいいのかもね」と彼女。「うん、そうだよ」
作品から受けた感動と相まって、いい体験になりました。
秋です。心に響くもの、心を豊かにしてくれるものに出会いたいですね。
 

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