笑顔

今日は、久しぶりにゆっくり実家へ行った。
85歳の父と80歳の母の老人世帯だ。
 地域包括支援センターの方が、介護保険制度の認定を受けている母の様子を、
定期的に訪問面談しにくるのだが、ちょうど今日がその日だというので、
私も一緒に立ち会うことにした。
 行政の委託で、老人世帯の様子を見に来てくれる。
支援が必要であれば、制度にのっとっていろいろ相談にものってくれるようだ。
 半年に1度くらい来てくれるので、わたしも何度目かの対面の方で、
初めて見えた時からかれこれ3年ちかくになるか・・・
 母はケアハウスのサービスなどを利用する気がまったくないので
今もふたりだけでなんとかやっている。
 最近は、弟も月に何度かは休みに顔を出してくれているようだし、
私も少し時間がとれれば行くようにしている。専門医に診てもらって
お薬を処方してもらっているだけで、なんとか、これまで、二人でやってきていて
相変わらずの物忘れはあるけれど、年齢の分を差し引けば、さほど症状も進行せず
日常生活を送ることができているのは、ありがたいことだと思う。
 そんな日常の様子を、面談に来た保健婦さんにあれこれ尋ねられながら、
「お父さんはすぐ怒るの、若いころからずっとこうだから」
「だって置いたところをすぐ忘れるだろう」
「薬だって飲み忘れるし」
「ほら、この調子」
本音とも冗談ともつかないけれど、目の前で夫婦の日常を
大笑いしながら、保健婦さんに説明している。
「でも、お幸せですね。こうしてお二人で普通にやっておられるのだから。」
保健婦さんの言葉に、私も深くうなずいた。
 無理に母がいやがるデイサービスに行くこともない。
平穏で元気に過ごしてくれれば、それで。
一緒にテレビをみて、あれこれとりとめもなくおしゃべりし、
孫たちのことを話題にしながら、お茶を飲んで。
両親の笑顔をたくさん見て、こちらが癒された気分になった。
 

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