「そうか、もう君はいないのか」

タイトルは城山三郎さんの手記のものです。
1ヶ月ほど前、本屋でみて、思い立って購入した物です。私が読むより先に娘に貸してあったものが返ってきました。
先日、職場で使っているコーヒーカップが割れました。
その時は別に「悪い知らせ」などとも思わなかったのですが、その日の午後、友人からY先生の訃報が届きました。
時間にすると、カップの方が数時間前だったことを思うと、慌てて知らせに来てくれたのかもしれないと思えています。


Y先生の留学中に入学した私の場合、学生時代のY先生との思い出は余りたくさんありません。
それよりも、この10年に、研修会、研究会、そして、前職場でといった、関わりが思い出です。


先日12日に先生を偲ぶ会がありました。先生に縁のある多くの人が集い、先生の思い出を語り合いました。
「清里でのお皿の上のアイスクリーム」
これは、たまたまその時に私が語った思い出だったのですが、会の終盤に先生がある研究会の中で語られた音声の流れるバックに、スライドショーの形で映し出された写真の一枚に、その「お皿の上のアイスクリーム」を手に、微笑んでいる先生の顔が写されました。
その写真もわたしの手元にあったものを「使えそうなら…」と言うことで持参した物だったので、スライドショーに入っていても当然だったのですが、不意のことで思わず涙がこぼれました。
「これ、出来立てを食べるよりも美味しいよ。誰にもあげないよ。僕のために取って置いてくれたんだからね。Bucchiありがとう。」そう言って下さった先生の声が聞こえてきました。


思い返すと、私にたくさんの勇気を下さった先生に感謝です。

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