人との関わりがもたらすものー「ビクトリア女王最後の晩餐」を観て

先週、久しぶりに友だちと映画に行きました。

この頃その人と行くときは私が選ぶと失敗するので、

選択はおまかせしていたところ「ビクトリア女王最後の晩餐」というのを選んでくれました。ネタバレになってしまいますが、その映画のことを書きます。

 

映画は、ビクトリア女王の晩年に仕えたインド人との交流と、それを良く思わない王室の人たちとの葛藤の話でした。

ちょうどインドがイギリス領になったころのことです。インドからの贈り物を女王に渡す役目を担うインド人が探され、背が高くハンサムであることが条件で、それに合致した下層階級の男が選ばれました。

そのインド人の男は、女王に贈り物を渡す際に「目を合わすな」と言われていましたが、女王の足元にひざまずき足先にキスをしました。それだけのことが、女王の心を鷲掴みにし、そばに仕えることになったのでした。

その後、そのインド人は女王と様々な話をするようになり、自分が知っているインドのことを話しますが、その話すべてが女王の心をとらえ、ついには、「先生」と呼び始めました。

その様子を良く思わない王室の人たちから嫌がらせを受けます。でも女王がなくなるまでそばを離れずにいました。お城という牢獄にいるような女王にとって、最後の時を彼ともに過ごすことで自分として生きることができたと思いました。インド人にも出世欲があったと思います。女王はそれも承知の上でした。それでも、ただ女王の話を老人のたわごととして聞かず、きちんと聞いて自分の考えを伝えたことが心をつかんだだけなのか、それとも「先生」と呼ぶほど、彼から新しいことを学ぶこと、知ることの意欲が、喜びとなり、人を生き生きとさせるのか、、、

きっとそのどちらもなのでしょうが、二人の間には、その関係は、何と名付けたらいいのか決められないけど、愛があるなと思いました。なんか泣けました。周りも結構泣いていました。自分でも不思議な涙。じんわり温かな感じ。ただ、ああいいなと思いました。